君のチカラで!

ものがたり

勇気のかけら

新たな仲間、そして突然の別れ。また一人になってしまったけど…今の僕は、昔の僕とは違った。 [◆1 ◆2 ◆3 ◆4 ◆5 ◆6 ◆7 ◆8 ◆9 ◆10 ◆11 ◆12 ◆13 ◆14

14

「テディ!! ごめんなさい……僕達のために……!!」
ニンテンが今にも泣きそうな顔、そして声でテディに謝った。
(ニンテン……!? こ、こんなニンテン……初めて見たな。)
僕が今まで見てきたニンテンは凄く元気で、何事にもめげずに立ち向かう勇気があって。僕とは大違い。
テディとライブハウスで会った時も、僕はテディの一喝に恐怖を覚えたのに、君はそんなことも関係なく彼に立ち向かって……!!
今はニンテンもテディもいつもの様子と一変してしまってるんだ。僕はそのギャップに驚いてしまった。
「よせよ、2人とも。俺は自分のしたことに何も後悔していねぇ。お前達がこうやって無事だっただけでもいい。」
ベッドに突っ伏して泣き始めていたアナの頭を、大きな掌で優しくなでた。

ひとまず、おじさんの応急処置が終わった。
まだ辛そうにしているけど、それでも再びしっかりとした口調でテディは語り始めた。
「皆……聞いて……欲しいんだ。」

「昔からケンカとかそういうもんには自信があった。今のお前達よりずっと小さい頃からな。
だから……今度だって俺は負けるとかそういう事はこれーっぽっちも考えてなかった。
……ふん、ましてはこんな事になっちまうなんてよ。オヤジとオフクロの仇を取ってやろうって思ってたのによぉ。」
そこでテディは両親の事を思い出したのか、ふぅーとため息をつく。
「……力だけじゃ奴らには勝てねぇ。それが、身をもってはっきりと分かった。
でもな。ニンテンとアナの力を見てたら、この戦いは勝てないこともねぇて言うのも分かった。」
するとテディは僕の方を見て、辛そうな顔から一転してニカっと笑い、
「ロイド。さっきの言葉は本当だな? へへ、ありがとうよ。俺もお前の事を信じる。もちろん、ニンテンもアナも、な。
……オレ達は必ず平和を取り戻せる。お前達、『3人の力』でな。」

「それは違うよ!」
これまで泣きそうな顔のまま黙っていたニンテンが口を開いた。どうやら落ち着いたみたいだ。
そしてテディに負けないくらい同じようにニカっ笑い、
「『4人の力』だよ。アナ、ロイド、テディ、そして僕の4人さ!」
そう言って、テディの言葉に「僕に任せて!」と言うように胸をどんと叩いた。
おや。でも、何か思い出したように、ブツブツとなにやら言い始めた。
「あ、でもピッピもほんの少しだけど一緒に戦ってくれたっけ……? あーでも本人は地球を救うとかその気は……」
(ピッピ? ええっと、確か湿地帯の家に一人で居た女の子…? 確かマザーズディであった事件に巻き込まれたとか……)
なんとなくは記憶にはあるんだけど、ちゃんとは思い出せなかった。
ピッピの事でニンテンがうーん、うーんと悩んでいる間に、アナも落ち着きを取り戻したようだ。
「そうね……私、前よりずっと怖くなってしまったけど……諦めちゃダメだわ。ママを助けるって決めたんですもの……」
アナはそう言って、目元に溜まっていた涙を拭いた。目は真っ赤になってるけど、その顔は初めてスノーマンで会った時のように、
優しさの溢れると同時に、何かを決意する意志のある表情をしていた。
「まだメロディーも集まってないからね。きっと今の状況を乗り切れる策があるはずさ! 今までもそうだった。頑張ろう!」
そう言ってニンテンはごそごそとオカリナを取り出す。
ふう。どうやら、ニンテンもアナもいつもの調子に戻ったみたいだ。

(2人とも……強いなぁ。)
心も体も傷ついたと言うのに、ニンテンとアナからのこの言葉。
2人ともPSIと言う力を使えるのも、この意志の強さなのかもしれない。
僕は改めて、2人の本当の強さを見たようだ。これが勇気……なんだ。
「おい、ロイド君。」
おじさんが僕の肩をぽんと叩いた。
「2人の気持ちは決まった。今度は君のなけなしの勇気を使う時がきたようだぞ。」
そう言ったけど、小さな声で「もう一度……ね。」と付け加えた。
「そうじゃな。さぁ!」
おじいさんも、促す。
たとえ弱虫のいじめられっ子でも少しずつ変化してきた気持ち。
これまでしてきた事は小さくても……それは勇気だったのかもしれない。
今まで自覚は無かったけど、今は自信を持って言える。僕だって負ける訳にはいかない!
「テディ! 君はここで休んでいてくれ!! 今度こそ……弱虫の僕が戦う番だ!」
「……ああ。信じてるぜ。」
僕とテディはがっしりと握手した。


「さぁ、行こう!」
ニンテンの元気な声が響く。僕とアナはその声に頷く。
(今度こそ!)
(今度こそ!)
(今度こそ!)
僕達の気持ちは前よりいっそう強いものになった。
ニンテンとアナとテディの勇気。そして、僕の勇気。
それぞれの気持ちが今。改めてひとつになって……大きな力になるんだ。
―ドオオン!
その力を示すかのように、おじいさんの放った戦車の大砲。
僕達の再出発の合図だ。それが気持ちよく鳴り響いた。さぁ! 出発だ!

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