君のチカラで!

ものがたり

勇気のかけら

新たな仲間、そして突然の別れ。また一人になってしまったけど…今の僕は、昔の僕とは違った。 [◆1 ◆2 ◆3 ◆4 ◆5 ◆6 ◆7 ◆8 ◆9 ◆10 ◆11 ◆12 ◆13 ◆14

5

その事件はまだ数日前の出来事。遊覧飛行の半券を集めると、戦車に載せてくれるそうなので、僕ら3人……
もとより、アナを除いたニンテンと僕が張り切って半券を集めて、戦車を貸してもらったのだ。
一通り乗り回したら、返すつもりだった。しかし、砂漠内にある遺跡の入り口付近に来たとたんに、
巨大なロボットが舞い降りたのだ! もちろん、宇宙人のロボットである。どうやら遺跡に入れたくないらしい。
とても素手で勝てそうな相手ではなかったので、戦車の大砲を使って攻撃したのだ。その判断は正解。
ロボットの攻撃に耐えることができ、そして大砲の威力でロボットを難なく倒すことが出来た。
しかし、元々おんぼろだったために、ロボットを倒したと思うと戦車の方も壊れてしまった……というわけだ。
遺跡への侵入を拒むということは、何か秘密があるのでは? そう思った僕らは、今からおじいさんの所に戻るわけには行かず、
おじいさんに戦車のことを伝えないまま、そのまま遺跡に入ってしまったのだ。
きっと戦車のことは、飛行機から上空で確認したのだろう。今考えれば、とても悪いことをしたと思っている。

「戦車のことはすみませんでした。ロボットが襲ってきたので、どうしようもできず……」
「もういい。もういい。とにかく戦車の修理費を弁償してくれ。200ドルだぞ。」
おじいさんはそう言うと、ずいっと手を突き出した。
200ドル。古いタイプの戦車が壊れたというのに、そんなに安いものかと思ってしまった。
と言っても、やはり高額な金額。早速、ニンテンから預かったキャッシュカードを使う羽目になりそうだ。
(もしかしたら、僕が思っている以上に壊れていないのかも。)
そう思うとほっとした。新品同様にピカピカに磨かれたあの戦車が、再び復活するのだ。
「分かりました。これからお金をおろしてきますね!!」
「うむむ……分かった。ここで待っておる。逃げたら、承知せんからな!」
「だ、大丈夫ですよ。逃げたりしませんから。」

僕は急いでデパートへ走って中に入り、キャッシュディスペンダーの前に立った。
(ニンテン。そしてニンテンのパパ。早速使わせてもらうよ!)
そう心の中で叫ぶと、カードを差込みドルの項目に200と数字を打つ。しばらくして、100ドル札が2枚出てきた。
それを素早くポケットに押し込み、また走り出す。あまり遅いと、おじいさんに逃げたと思われてしまう。
再びライブハウスの近くに戻ってきたが、幸いにもおじいさんは怒ってないようだ。
「はい、どうぞ。200ドルです。」
「おお、来たな。どれどれ…うむ、ちょうど100ドル札が2枚じゃな。よしよし。」
おじいさんはうんうんと頷いた。どうやら納得したようだ。
「ああ、良かった。いざ、さらば……帽子のボウズと可愛いお嬢さんによろしくな。」
「あ、ちょっと待ってください!」
僕は慌てておじいさんを呼び止めた。おじいさんはビックリした様子だったが、僕は少しの希望を頼りに、こう言った。
「修理、僕にも手伝わせてください。壊したお詫びと……それに、また戦車を見たいんです。興味がありますから。
僕、こう見えても機械いじりとか得意なんですよ? 少しは役に立つと思います!!」

バレンタインの中心部から少し離れた郊外。そこにおじいさんの自宅兼戦車ガレージがあった。なかなかの広さである。
てっきり砂漠に住んでいると思っていたけど、さすがにずっと居るわけではないようだ。
ガレージのシャッターを開けると、あの砂漠で乗った戦車があった。確かロボットのせいで無残な姿になったはずだが、
今目の前にあるのは、傷が目立つが何とか原形をとどめている。
「とりあえずわしが出来る限り修理してみたんじゃ。じゃが、部品の一部の破損と紛失があってな。
これだけはどうしようもならん。その費用がこれがさっきの200ドル……と言うわけだ。」
どうやらこのおじいさんは、飛行機や戦車の操縦だけではなく、エンジニアとしても大した腕を持っているみたいだ。
「さて。早速この相棒を直してやらんとな……ほれ、ボウズ。さっき買った部品を全部出してくれ。」
「あ、分かりました! よいしょ、よいしょ、よいしょ……」
僕はダンボールの中から訳の分からない部品を取り出した。ここまで来る途中に買ってきたものだ。
もちろん、戦車の構造を見るのは始めて。僕は新しい発見と遭遇に、ワクワクと胸を躍らせていた。

外はすでに夕明け色に染まっていた。思った以上に、時間がかかっていたみたいだ。
しかし、戦車のほうはおじいさんのテキパキとした指示と僕の知識を生かして何とか修理が完了した!
「へぇー大したもんじゃな、お前さん。今日中に終わったのも、お前さんのおかげだな。」
「えへへ……ありがとうございます……」
僕は素直に照れた。やっぱり褒められるのは嬉しい。
機械とか化学の分野は得意な僕だけど、それを生かす場面は少ないので、褒められることはほとんど無い。
「修理費の弁償だけでよかったのに、なんだかいろいろ世話してもらってしまったな。」
「いえ、いいんです。あの……ところで、お願いがあるんですけど……」
「なんじゃ? そうじゃな。手伝ってもらったお礼だ。ほれ、話してみぃ。」
そう言ってくれたおじいさんに安心して、僕はあることを切り出した。

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