ものがたり
はじまりの冒険
デビュー作って言う奴ですね(笑)ニンテンはいつもと変わらない生活を過ごしていたのだけれど…!? [◆1◆2◆3]2
「ニンテン、悪いけど出てちょうだい。」
「う、うん…もしもし?」
僕は恐る恐る受話器を取って出てみた。すると…
「お、その声はニンテンか?」
この声は…パパだ!!ちょっとビックリした。またへんな事が起きたかとおもったよ。
パパはずっと前からこの家から離れた場所で仕事をしている。
クリスマスから新年の時にしか帰ってこないから、ほとんど合う機会が無い。
だから、電話という手段でいつも話している。そうだ!パパにさっきのことを話そう!
「パパ!今ね…」
僕は簡単に今起こった出来事を話した。パパはしばらく黙ってから、こう言った。
「ふーむ…それはラップ現象だな。」
「ラップ現象?テレビによく出てくる…それじゃぁゴーストとかの仕業?」
「いや、きっと宇宙人の仕業だろう。」
「???」
宇宙人だって?パパ何を言っているのだろう…するとパパはいつになく真剣な声で話し始めたんだ。
こんなこと言うと、まるで普段のパパはふざけているみたいだけどね。それほど真剣にな感じだった。
「ニンテン、これはとっても重要な事だ。よく聞いておくんだぞ。
実は今地球は大変な事になっている。家からじゃホーリーローリーマウンテンは…見えないか…
とにかく今は地球の危機なんだ。…そしてその事についてはお前のひいじいさんひいばあさん…
つまり、ジョージとマリアが大きくかかわってると思うんだ。地下室があるだろ?
そこにひいじいさんの日記があったはずだ。それが重要な手がかりになるはずだ。」
「それからどうすればいいの?」
「…それはお前の判断に任せる!」
ずるっ。…パパは相変わらずなんだから。と、僕はあることに気がついた。
「あれ?地下室ってカギがかかってたよね?カギはどこにあるの?」
「……」
「パパ?」
「忘れた。」
「えぇ!?じゃどうす」
パパは僕が言葉を言い終わる前に、
「えぇぇい!ニンテン、後は全部お前に任せた!今はお前だけが頼りだ。
進めー!ニンテン!みんなを守ってくれ。」
「ちょっ、パパ!?パパ!!」
―ガチャン ツーツーツー
「うわっ。…パ、パパ…」
仕方がなく僕は受話器を置いた。するとママが台所からこちらへ来た。
どうやらフライパンを置いてきたようだ。
「パパだったのね?珍しく張り合ってたわね。どうしたの?」
「ううん…実は…」
僕は電話の内容を話した。今の現象の原因は宇宙人だと。
僕のひいおじいさん、ひいおばあさんが大きく関係していること。
…そして、パパが僕に任せると言ったこと。
「そう…それで、ニンテンはどうするの?」
「えっ!え、えっと…」
考えてもみなかった。そうだ、僕はこれからどうすれば良いんだ…僕は…
いきなり起こった不思議な出来事。悲鳴を上げる妹達。
勇敢に立ち向かったものも、腰を抜かしてしまった母親。
―今はお前だけが頼りだ。進めー!ニンテン!みんなを守ってくれ。―
パパの言葉が蘇る…父親がいない今、男一人の…僕!
「ママ…旅に出るよ。」
「…」
ママは何も言わなかった。でも、僕は続ける。
「多分…これは僕にとってとっても重要な事なんだ。
パパも言ってたし。地球の危機と言うのが本当だったら、このままじっとしてられないよ!
…原因を突き止めて…ママとミミーとミニーを守るんだ。」
何故こんな言葉が出てきた僕自信分からなかった。でも、後悔はしなかった。
パパは全部任せるといった。だから、僕にできることは…これしかないと思った。
ママは一瞬悲しい顔をした。…いや、ような気がした。
すると、ママはじっと僕の目を見て、ニコッと笑いかけた。
「…あなたって思ってたよりずっと勇敢な子だったのね。ニンテン、あなたが正しい事と思うなら…旅に出なさい。
でも、つらい旅にしたくないわ…ママはあなたの好きなハンバーグを作るわ。
ハンバーグが食べたくなったら戻ってくるのよ。」
「うん!」
すると2階からミミーとミニーが降りてきた。僕の話を聞いていたのだろうか、二人は、
「お兄ちゃん、はい。オレンジジュースあげる。頑張ってね!」
「困った時は言ってね?力になるから!そうだ!いろんなお荷物預かっておくね。」
…3人の言葉で、僕は、旅に出ることをはっきりと決意したんだ。