君のチカラで!

ものがたり

はじまりの冒険

デビュー作って言う奴ですね(笑)ニンテンはいつもと変わらない生活を過ごしていたのだけれど…!? [◆1◆2◆3

1

「ママー!いってきます~!今日もホームラン打ってみせるよ!」
「はいはい。行ってらっしゃい。張り切り過ぎて喘息出さないようにね。じゃぁ、がんばってくるのよ。」

マザーズディの郊外。ポツリとある赤茶色い屋根の家。それが僕…ニンテンの家だ。
僕はいつものようにママにホームラン宣言をして、学校へ出かけた。

嫌いな理科だった6時間目を乗り越え、やっと放課後になった。
僕は嬉しくってイスから転げ落ちちゃった。
僕の楽しみが、放課後にやるベースボールなんだ!
今日はジャックって言う奴ががピッチャーだったんだ。
ジャックには申し訳ないけど、ジャックのボールは弱いからね。
僕はホールランを豪快に打った。

そんな所で僕のほとんどの1日は終わる。

「今日はジャックがピッチャーだったんだけど、でっかいホームラン打ったんだ。」
(へぇ~!そりゃすごいね…。でもジャックだと…打てるだろう?奴の球はひょろひょろしてなかったかな。)
「あはは!そりゃね。ジャックには本当に悪いけど。」

僕は不思議な力を持ってる。家で昔から飼ってる犬、ミックとも話す事が出来るんだ。
だからこうやってこっそりそり部屋に連れてきて、2人(?)で学校のこととかいろいろ話をしているんだ。
他にもスプーンを曲げる事が出来たりするんだ。…でも、一体なんでこんな力を使えるのか、僕には分からないんだ。

と、ミックと盛り上がっている時、

「ニンテーン!ご飯が出来たわよ~!降りてらっしゃい~」
「あ、はーい、ママ!!じゃぁミック、話の続きは明日にしよう。」
(おう!じゃ、お先におやすみ~)

今日の晩御飯は僕の好きなハンバーグ!やったね!!
僕はウキウキな気分で、ママそして双子の妹ミミー、ミニーと楽しく食事をした。

食事を済ませた後、シャワーを浴びて、早めにベットへ。
明日は早くからテレビで“サンフランシスコ・ジャイアンツ”の試合があるんだ。僕の好きなチーム。

いつものように過ごし、いつものように家族と過ごす…理科の授業以外は僕は幸せだった。

…そう。あの朝を迎えるまで…はね。

僕はいつもの様に窓から差し込む朝日で起きたんだけど…
なんとも異様な感じがしたんだ。なにか不安になるような…どこか変な感じ。
その朝日もいつもより弱々しいし、鳥のさえずりがいつも聞こえるのに、今日は聞こえなかった。
とりあえずママの所へ行こうと、ドアノブに手をかけたその時!!

ガタガタガタッ!!
「えっ!?」

部屋にある電気スタンドが大きな音を立てて動いたかと思うと、くるくる回りながらこっちに向かって飛んできた!

「うわぁぁぁっ!!」

僕はなんとか間一髪でよけた。でもまたこっちに向かってきた!!
このままじゃ危ないと思って、愛用のバットを探したんだけど…

「あぁぁ!!バットはトーマスに貸したんだ!!」

ベースボールの同じチームメンバーのトーマスがバッティング練習したいって貸したんだ。
こんな時に…どうしよう!!そんな間にも電気スタンドは容赦なく、こっちへ向かってくる。

「このっ!!」
こっちへ向かってきた電気スタンドを、僕は反射的に叩いた。ちょっと手が痛かった。
けど、そしたらあっけなく「ガシャン!」と音を立てて床に落ちた。

「ふぅ、なんだったんだろう…」

と、思ったのもつかの間。今度は家が揺れだした!地震…?と思ったけど、
「キャー!!ママー!!おにいちゃーん!!」
「イヤー!助けて!!」

隣の部屋からミミーとミニーの悲鳴が!
僕はとっさに部屋を出て、揺れる家によろけながら移動して二人のいる隣の部屋へ!
すると二人は部屋の隅っこにうずまっていたんだけど、その前には人形が浮いていた!
二人は僕の元へ駆け寄ってきて、ぎゅっと抱きついた。すると双子らしく二人同時に、

「「お兄ちゃん!お人形さんがいきなり動き出してくるくるとお部屋の中を飛び出したの!
お家も揺れ始めるし…ウヮーン!!このままじゃお家が壊れちゃうよ~」」

と、見事に息ピッタリで言い放ち泣き始めてしまった。
さっきの電気スタンドと一緒だ。一体なんなんだろう?
でも、そんなこと考えている場合じゃなかった。おびえる二人。そしてこっちに飛んでくる人形。
さっきの電気スタンドより倍に恐かった。でも、このままじゃ僕だけではなくミミーもミニーも危ない。
僕は何故かこの部屋にあったホウキを取って、バットの構えと同じように握った。

「二人とも危ないから下がってて。僕が何とかするから。」
「「う、うん。分かった。」」

さっきのように部屋の隅に固まる二人。それを確認してから僕はじっと人形を睨んだ。
人形はこっちに向かってくる。どんどん近づいてきた所を、僕は昨日のホームランを思い出して、思いっきり振った!
――SMAAAHS!!――

見事に人形に当たった!!そしてそのまま飛んでいって、床に落ちた。…もう動かない様だ。
人形が動かなくなったと同時に家の揺れも収まったようだ。よかった!!

「「お兄ちゃーん!!恐かったよ~…」」
「さぁ、もう大丈夫だよ。…そうだ!!ママは大丈夫だったかな?ちょと下に降りて見てくるから。」

すっかりママの事を忘れていたよ!本当はママの所に行こうと部屋を出たのにな。
さっきの出来事を思い出すと、ママのことが心配になって慌てて階段を降りた。
リビングを見まわすと、ソファーに座っているママの姿が。どうやら見たところ無事のようだ。よかった。

「あぁ、ニンテン!大丈夫だった?ママもうビックリしちゃって…腰抜かしちゃったわ。」

…っと言ってるママの手にはフライパン。周りにはいろいろな物が散乱している。
ママも僕と同じような事をしていたようだ。まさに親子だね。

「僕もミミー達も大丈夫だよ。ところで今のはなんだったんだろうね?」

っと、話していると…
―プルルルッ!!プルルルッ!!
…電話だ!もしかしてまだへんな事が起きていて鳴ってるのかな?
でも電話は早く出てくれ!と言わんばかりに鳴りつづけている。

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