君のチカラで!

ものがたり

本当のMother's Day


「お金はいつものように振り込んだからな。やるものはお前達で考えてくれ。まだ時間はたっぷりあるしな。
…え?たまには指輪とかがいいだって?…いいか、ニンテン。プレゼントというのはな…」

―プレゼントは価値や値段じゃない。そのプレゼント自身にこめられた気持ちが大切なんだよ―


「…ふぅ…あの子達、遅いわね…町のほうでお買い物してくるって言っていたけど。」

―マザーズディの郊外。少年ニンテン宅では、そのニンテンママが退屈そうに紅茶を飲んでいた。
当のニンテン本人と、その妹ミミーとミニーはマザーズディの街の中心で買い物に行っていた。
買い物と言うことで、ママ自身も行きたかったのだが…

『ママはゆっくり家で休んでいて!!」』
『そうよ!ミックのエサは私達が買ってきてあげる。』

と、娘達が声を張り上げたのだ。息子の方は、

『そうだよ。僕は新しいバット見に行くだけだし。大丈夫。僕らで平気だよ。』

と言って、ママの足を止めたのだった。

「ニンテンはともかく、あの二人まであんな言うなんてねぇ…珍しいこともあるのね。
まぁ、たまには兄妹だけで出かけるのもいいわね。…ふふ、仲良し兄妹ねぇ…」

クスリと笑いながら、ママは再び紅茶が入ったコップに手をかけた。
と、そこへ例の仲良し兄妹が帰ってきた。

「「「ただいまぁ!」」」

ニンテンが手にぶら下げているビニール袋は、おそらくミックのエサだろう。
そして、ミミーとミニーが二人で抱えている赤い物体は…

「カーネーション?」

ママは不思議そうに呟いた。
―ここ、マザーズディはカーネーションがシンボルである。町を歩いていれば、嫌というほど目に入る。
いや、嫌というより見とれてしまう美しいのだ。なので、季節外れでも様々なカーネーションが見る事が出来る。
あの“ジョージ”と“マリア”の出会いの元であった花もカーネーションだった。
だからとても見なれており、実に存在が強い物だ。そんな花が娘二人の腕の中に抱えられている。何故だろう?
ママの顔に“ハテナマーク”が浮かぶ中、やがて3人は満面の笑みを浮かべて、ニンテンが一歩前へ出て、こう言った。

「ママ、ハッピーバースディ!」

ここで、今日は年に1度の自分の誕生日だった事をママは思い出した。

―ただの赤い花だけど、子供から直接嬉しさ。遠くにいても、妻の誕生日は絶対忘れない夫。
4人の優しさに、ママは今年“も”涙をうっすらと浮かべたのだった。






―ママは嬉しさに浸っていたのだが。ミニーの言葉が突き刺さった。
「このお花、ママのお歳で買ってきたんだけど…お花の数、多いね。」

◆ 遠慮がちにあとがき。
はい。母の日ネタです。うーん、まぁありがちなネタですが、書きたかったんです。
アメリカに母の日があるのか知らないので、とりあえずニンテンママのお誕生日と言うことに。
えーと、最後もありがち(笑)ネスママだったらあらぁやだ!ってな感じで暴れているかも(私のイメージ)
こんな感じなのでー…(汗)ジャンク作品と言うことで。
メニュー

WEB拍手

ボタンはランダムで4種類。さぁ何が出るかな?
お返事は後日、日記にてさせていただきます。